オリジナリティとはどうやって作られるのか?
こんにちはKenTanahashiです!
よく「私の写真にはオリジナリティがないので…」「オリジナリティをだしていきたい…」と相談を受けることがあります。
ここでいうオリジナリティとは、「自分独自の~」とか「他の人とは全く異なる~」くらいの意味だと思うのですが、今の時代完全なオリジナルはありえません。
例えば「自動車」。自動車のルーツは「蒸気自動車」だと言われています。ご存じの方も多いと思いますが、蒸気自動車を発明したのは、18世紀フランスの軍事技術者であったニコラ・ジョセフ・キュニョーです。
ニコラは何もないところから蒸気自動車を発明したと思うかもしれませんが、そうではありません。蒸気自動車が誕生する前にはヨーロッパでは馬車が人や荷物を運ぶ主な道具として使われていました。
要するに現代の自動車は蒸気自動車がなければ生まれなかった、蒸気自動車は馬車がなければ生まれなかったのです。
結局何が言いたいのかというと、今この世の中にあるもののすべてが、過去の何かをアップデートして作られているということです。
写真だって同じです。巨匠たちが様々な撮影技法や、構図などを生み出してきたおかげで、それらを学び、誰でもそれなりに綺麗で構図が整った写真を撮れるようになっています。
これからの時代、エジソンが生まれることはありません。0から何か新しいものを生まれることはないという意味です。
掛け算という考え方
0から何も生み出せないのなら一体どうやってオリジナリティをだしていけばいいのでしょう。それは「かけ算」をすることで解決するかもしれません。
何かと何かを掛け合わせることで、新しい何かを生み出すという考え方です。これはビジネスの世界でよく使われる考え方ですが、アートの領域にも応用可能だと思っています。
先日たまたまオードリー若林と弘中アナのテレビ番組「激レアさん」という番組を見ていたら、こんな絵が紹介されていました。
この絵は多摩美術大学に通う日吉拓哉さんが書いたもので、葛飾北斎のオマージュ作品だそうです。見たまんまですが、「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を上野の不忍池に見立てて、パンダやアメ横といった上野の象徴を絵の中に登場させています。
Twitterでたまたま葉加瀬太郎さんの目に入り、べたぼれして購入までしたそうです。まさにSNSドリームですね!
この絵が誕生したのも掛け算の考え方です。
「神奈川沖浪裏」×「上野」
葛飾北斎の作品がなければこの絵は生まれませんでした。
オリジナリティってなに?
ここまで読んだ皆さんは何を感じましたか?
僕は現代のすべてのものが0から生み出されたものはないに等しいという事実を知ってから、無理に「オリジナル」にこだわることをやめました。
そして「かけ算」の考え方を知ってから、無限に新しい創作物を生み出せる可能性があることに気づき、改めて「オリジナリティ」について考えるきっかけになりました。
今回の話が何か皆さんのヒントになることを願います。
それではまた。
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